ラレニー(英語表記)Gabriel-Nicolas de La Reynie

改訂新版 世界大百科事典 「ラレニー」の意味・わかりやすい解説

ラ・レニー
Gabriel-Nicolas de La Reynie
生没年:1625-1709

パリ市初代警視総監(在職1667-97)。リムーザン地方の官職ブルジョアジーの出身。1661年以来,請願審理官を務め,67年パリのシャトレ裁判所に新設された警視総監の職に就いた。30年の長きにわたって,首都パリの治安維持,生活環境の改善に大きく貢献し,国王の信頼も厚かった。警邏けいら)隊の組織,街灯の設置,乞食の取締りなど,彼の功に帰されるものが多い。79-82年の間は,ブーランビリエ侯爵夫人にまつわる,宮廷をも巻き込んだ〈毒薬事件〉を裁く特設裁判所の裁判長を務め,その公正な態度称賛の的となった。1680年より国務評定官を兼任した。ルイ14世時代の最も有能な行政官の一人である。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

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