リカードの等価定理(読み)りかーどのとうかていり(その他表記)Ricardian equivalence theorem

知恵蔵 「リカードの等価定理」の解説

リカードの等価定理

政府景気を刺激するために減税し、この減税に必要な資金国債発行することによって賄うとする。しかしこの時、もし家計が、将来政府が国債を償還する時に増税することを予想するならば、家計は現在の減税分を消費に回すことなく将来の増税に備えて退蔵するだけであり、結局、減税は何ら景気を刺激する効果を持たないことになる。このように、家計が国債の発行が将来の増税を意味することを正確に予測する場合には、減税の財源を国債から調達した場合と直接税金から調達した場合とは、全く同じ結果をもたらす。この命題を、英国の経済学者デビッド・リカードにちなんでリカードの等価定理という。

(荒川章義 九州大学助教授 / 2007年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

世界大百科事典(旧版)内のリカードの等価定理の言及

【公債の負担】より

…したがって利子率は上昇しないから,上のような効果も生じない。こうした考え方は,それがD.リカードの著作中にみられることから,しばしば〈リカードの等価定理〉とよばれる。【野口 悠紀雄】。…

※「リカードの等価定理」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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