改訂新版 世界大百科事典 「リデルハート」の意味・わかりやすい解説
リデル・ハート
Basil Henry Liddell Hart
生没年:1895-1970
イギリスの軍事評論家。第1次世界大戦に従軍し負傷,1927年陸軍大尉で退役。《デーリー・テレグラフ》《タイムズ》の軍事記者,論説顧問を務め,空軍力と戦車戦に関する多くの軍事理論を発表し,機甲戦の創始者として有名。彼の構想は自国陸軍よりもドイツ陸軍にうけいれられ,第2次世界大戦初期,ドイツ陸軍の電撃戦成功の基礎となった。37-38年陸軍大臣顧問となり,開戦直前のイギリス陸軍の近代化,機械化に参画した。戦時中および戦後は著作活動に専念し,近代戦争理論の発展に貢献した。おもな著書に《間接アプローチの戦略》(1929),《第1次世界大戦史》(1934),《第2次世界大戦史》(1970)などがある。
執筆者:市来 俊男
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報