リヒター(Hans Richter、画家、実験映画制作者)(読み)りひたー(英語表記)Hans Richter

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

リヒター(Hans Richter、画家、実験映画制作者)
りひたー
Hans Richter
(1888―1976)

ドイツ生まれの画家、実験映画制作者。ベルリンで生まれる。初めキュビスムの影響を受ける。1916年チューリヒ・ダダに加盟。19年以降スウェーデンの画家エッゲリングViking Eggeling(1880―1925)とともに音楽的な主題による抽象的デッサン絵巻物、『プレリュード』(1919、ニュー・ヘブン、エール大学)、『赤と緑のフーガ』(1923、ニューヨーク、H・リヒター遺産)などをつくる。この試みをさらに発展させて、21年完全に抽象的な最初の実験映画『リズム21』を制作した。23~26年ベルリンでデ・ステイルの刊行物・雑誌『G』の共同発行者として活躍。41年ナチスに追われてアメリカに亡命デュシャンエルンスト、マン・レイらと交流し、シュルレアリスム風の映画『金で買える夢』(1944~47)、『8×8』『ダダスコープ』(1960)をつくった。スイスのロカルノ近郊ムラルトで没。

[野村太郎]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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