リベラ(JoséEustacio Rivera)(読み)りべら(英語表記)JoséEustacio Rivera

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

リベラ(JoséEustacio Rivera)
りべら
JoséEustacio Rivera
(1889―1928)

コロンビア詩人、小説家。法律を学び、その仕事で平原地帯に、続いてベネズエラとの国境制定委員としてアマゾンに赴く。その強烈な体験をもとに『大渦』(1924)を発表。これは、都会を逃れ平原に、そして密林に入り込んだ若い恋人たちの目を通して、自然の掟(おきて)に従う牧童や過酷な労働を強いられるゴム林労働者たちの姿を、そして西欧文化が密林の前ではいかに無力なものであるかを描いたもの。この作品の真の主人公は、無の大渦に人間を呑(の)み込むアマゾンの大自然といえよう。この一作で世界的名声を獲得したが、ほかに、近代主義(モデルニスモ)の香り漂う唯一のソネット集『約束の地』(1921)がある。

[安藤哲行]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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