リボニア(歴史的地域名)(読み)りぼにあ(英語表記)Livonia

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

リボニア(歴史的地域名)
りぼにあ
Livonia

ヨーロッパ東北部、西ドビナ川以北のラトビア共和国とチュド(ペイプス)湖以南のエストニア共和国の地域に用いられた歴史的地方名。先住民はフィン・バルト系のリーブリ人(リボニア人)で、名称はこれに由来する。12世紀からデンマーク人とドイツ人の植民が盛んになった。1202年には帯剣騎士団がおこり、1237年ドイツ騎士団と合体した。リボニア戦争(1557~82)では、ポーランド、デンマーク、スウェーデン、モスクワ公国が、この地をめぐって争い、1561年ポーランドが帯剣騎士団を臣従させ、全土を支配した。その後も争奪が続き、1629年スウェーデン領となったが、大北方戦争の結果、1721年のニスタット条約によりロシア領となった。1918年に北部はエストニア、南部はラトビアに編入された。

[安部一郎]

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