リポ製剤(読み)リポせいざい

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「リポ製剤」の意味・わかりやすい解説

リポ製剤
リポせいざい

薬物投与システムの中でも,目標の部位に選択的に薬物を到達させる,いわゆるターゲティング療法を目的として開発された剤型の一種。ある種の脂質 (リン脂質) を水に懸濁すると,外側を脂質の膜が取り囲んだ,球状の小胞体 (リポソーム) ができる。リポソームには,物理的に安定で,内部に薬物を取り込ませて運搬させる「担体」として使うことができるという性質がある。これらの特徴を利用し,インターフェロンなど蛋白性で不安定な薬物や,プロスタグランジンなど水に溶けない薬物などのリポ製剤化が研究されている。近年,血管の炎症性の疾患をおもな適応とした,プロスタグランジンのリポ製剤が発売された。これ以外に,非ステロイド性抗炎症剤などでも製品化された。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

発見学習

発見という行為の習得を目指す学習。または,発見という行為を通じて学習内容を習得することを目指す学習。発見学習への着想は多くの教育理論に認められるが,一般には,ジェローム・S.ブルーナーが『教育の過程』...

発見学習の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android