リュシストラテ(英語表記)Lysistratē

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「リュシストラテ」の意味・わかりやすい解説

リュシストラテ
Lysistratē

ギリシア喜劇代表作邦訳『女の平和』。アリストファネス作。前 411年アテネ初演。アテネとスパルタとの間の長期化したペロポネソス戦争にうんざりした両国の女性たちが,アテネのリュシストラテをリーダーに,戦争をやめるまでは夫と同衾しないというセックス・ストライキ戦術に出て男性を屈服させ,ついに平和をもたらすという話。男性の愚行狂気を女性が良識と正気に引戻す過程がおおらかな性の笑いを通して風刺的に描かれている。

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世界大百科事典(旧版)内のリュシストラテの言及

【女の平和】より

…そのような状況を背景にして,戦争に嫌気がさして男どもに愛想をつかしたアテナイとスパルタの女たちが,男どもを拒んで政治の中心アクロポリスを占拠し,性的にも生活的にも政治的にも途方にくれた敵味方の男どもに,ついに平和条約を結ばせるという筋立て。ヒロインのアテナイ婦人リュシストラテの名は〈軍隊を解く女〉の意。女たちのセックス・ストライキという着想のゆえに,彼の作品中最も知名度の高いものとなってはいるが,最もアリストファネス的な作品とは言えない。…

※「リュシストラテ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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