ルイス(Pierre Louys)(読み)るいす(英語表記)Pierre Louys

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

ルイス(Pierre Louys)
るいす
Pierre Louys
(1870―1925)

フランスの詩人。ベルギーのガンに生まれ、ルイLouisとも表記した。高踏派の詩人エレディアの三番目の女婿となり、義父の影響を受けた。若き日のジッドバレリーと交わり、同人誌『コンクLa Conqueを創刊、詩人として注目される。35歳のとき大病にかかり、ほとんど盲目となったが、30歳前の1890年から1900年に至る10年間に主要な仕事を果たした。

 古代ギリシアにあこがれ、官能的なヘレニストとして唯美主義を謳歌(おうか)。古代女流詩人の名を借りてルイ自身が書き上げた散文叙情詩『ビリティスの唄(うた)』(1894)や『詩集』(1916)で名をなす。小説家としても優れ、出世作『アフロディット』(1896)をはじめ、カサノーバをモデルとした『女と人形』(1898)、風刺小説『ポゾール王の冒険』(1901)や、短編集『紅殻(べにがら)』(1903)などがある。死後に『日記』(1929)が発表された。

[窪田般彌]

『吉原幸子訳『ビリティスの恋唄』(1982・パルコ出版)』『宮本文好訳『妖精たちの黄昏』(1982・弥生書房)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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