ルシヨン(読み)るしよん(英語表記)Roussillon

デジタル大辞泉 「ルシヨン」の意味・読み・例文・類語

ルシヨン(Roussillon)

フランス南東部、プロバンス地方、ボークリューズ県の村。黄土の丘の上にあり、集落全体が黄や赤、褐色を帯びている。19世紀から20世紀にかけて黄土の採掘発展。現在採掘は行われず、観光が主産業になっている。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ルシヨン」の意味・わかりやすい解説

ルシヨン
るしよん
Roussillon

フランス南部の歴史的地方名、旧州名。北はラングドック、南はスペイン国境に接する。現在のピレネーゾリアンタル県(面積4086平方キロメートル、人口39万2803、1999)の範囲にほぼ相当する。中心都市はペルピニャン。古くはイベリア人の住地であったが、紀元前121年にローマ人が到来し、ローマの属州ガリア・ナルボネンシスに統合され、その後ゲルマン人、イスラム教徒侵入カロリング朝による奪回、アラゴン領、フランス領、マリョルカ(マジョルカ)領と、所領が変転した。最終的にはルイ14世のときに、ピレネー条約(1659)によってフランスへの帰属が決定した。現在、経済的にはワイン、果実オリーブなどの農産物が支えているが、気候温暖なためとくに地中海沿岸地域では観光産業も発達している。スペインのカタルーニャ地方に連なり、フランス・カタルーニャとよばれる地域で、ペルピニャンにはカタルーニャ博物館がある。

[青木伸好]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

自動車税・軽自動車税

自動車税は自動車(軽自動車税の対象となる軽自動車等および固定資産税の対象となる大型特殊自動車を除く)の所有者に対し都道府県が課する税であり、軽自動車税は軽自動車等(原動機付自転車、軽自動車、小型特殊自...

自動車税・軽自動車税の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android