日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
ルノー(Louis Renault)
るのー
Louis Renault
(1843―1918)
フランスの国際法学者。ソーヌ・エ・ロアール県オータンに生まれる。最初はディジョン大学で、のちパリ大学で法学を学び、1868年卒業。同年からディジョン大学、1873年からはパリ大学で、ローマ法、商法、国際法を講義した。1881年パリ大学教授となる。1890年以降、フランス外務省の法律顧問を務め、数々の国際会議にフランス代表として出席し、国際私法、国際運送、白人奴隷の廃止などさまざまな問題の解決に力を注いだ。またオランダのハーグで国際仲裁裁判所が開設されると、その裁判官として多くの仲裁裁判にかかわった。1899年、1907年と2回のハーグ平和会議に出席、海軍の紛争など、さまざまな討議に参加し、指導的役割を果たした。1907年、これらの業績により、イタリアのモネタとともにノーベル平和賞を受賞した。1914年にはハーグで創設された国際法アカデミーの会長に選出された。ノーベル賞のほかに19か国で勲章を、また多くの大学で名誉博士号を与えられている。
[編集部]