ルブラン(Charles Le Brun)(読み)るぶらん(英語表記)Charles Le Brun

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

ルブラン(Charles Le Brun)
るぶらん
Charles Le Brun
(1619―1690)

フランスの画家、室内装飾家。2月24日パリに生まれる。初めフランソア・ペリエ、のちシモン・ブーエの門に入り、早くから頭角を現す。1642年から4年間ローマで学ぶ。当地で活躍していたプサンのもとで働き、強い影響を受けた。帰国後、ランベール館、ボー・ル・ビコント城の室内装飾などを手がけたのち、ルイ14世に取り立てられる。62年、王立ゴブラン制作所の監督となり、以後ベルサイユ宮殿の鏡の間をはじめとして、国王の宮殿の室内装飾の多くを取り仕切る。また一方で64年には首席宮廷画家となり、アカデミーでも大きな発言力をもった。このころの代表作に『宰相セギエの肖像』(1661、ルーブル美術館)、『昇天したキリストをたたえるルイ14世』(1674、リヨン美術館)などがある。しかし83年、庇護(ひご)を受けていた財政総監コルベールの死とともに失脚し、その地位をミニャールにとってかわられた。晩年の作に『生誕』(1689ころ、ルーブル)などがある。90年2月12日パリで没。

 ルブランはアカデミー草創期の中心人物として、理性、秩序を重んじるアカデミズムの基礎を築いた。また絵画、室内装飾の分野において、華麗、壮大、優美なルイ14世様式確立。その様式は以後ヨーロッパ各地の宮廷で模倣された。

[宮崎克己]

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