改訂新版 世界大百科事典 「レカバレン」の意味・わかりやすい解説
レカバレン
Luis Emilio Recabarren Serrano
生没年：1876-1924
チリの政治家，黎明期労働運動の指導者。バルパライソ市生れ。14歳で印刷工となり，1894年民主党に入党。19世紀末から1920年代にかけてのチリは萌芽的な資本主義の展開とともに，資本・労働の対立が深刻な社会問題となった時期である。彼は20世紀初頭ころから印刷工組合運動に従事する一方，新聞を発行して労働運動と社会主義との結合を主張，アナーキストとの確執を経て1912年民主党を離れ，労働者階級の政党である社会主義労働党を創立した。幾度も投獄されたが，17年には鉄道・鉱山労働者を中核とするチリ労働者の全国組織チリ労働総同盟を結成，さらに21年上院議員に当選（-1924），22年党をチリ共産党と改称して第三インターナショナルに加盟するなど，第1次世界大戦前後から20年代にかけて労働運動を指導し，社会主義革命をめざして闘った。
執筆者：吉田 秀穂
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報