レト・ロマン語(読み)レトロマンご

百科事典マイペディア 「レト・ロマン語」の意味・わかりやすい解説

レト・ロマン語【レトロマンご】

インド・ヨーロッパ語族のイタリック語派に属するロマンス語の下位グループ。Rheto-Romance。古代ラエティア(ほぼ現スイス)のロマンス語。周辺をゲルマン語(ゲルマン語派)に侵されてスイスのグリソングラウビュンデン)州に残る。フリウル,ラディン,ロマンシュ語が含まれる。西部方言であるロマンシュ語Romanshが第2次大戦前にスイスの公用語となったが,純粋の話し手は減少している。全体の話者は約60万人。
→関連項目エンガディーン

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「レト・ロマン語」の意味・わかりやすい解説

レト・ロマン語
れとろまんご

ロマンス諸語の一分派で、スイス・アルプスからイタリア北東部にかけて用いられる言語。スイスではロマンシュ語ともよび、言語人口は5万人弱だが、1928年以来国語の一つとして認められている。北イタリアフリウリ地方とドロミティ渓谷では、約50万人の話者をもつ。アルプスの先住民族レトの言語がラテン語化され形成されたとされる古い特徴を保つ言語だが、ドイツ語イタリア語影響が大きく、現在復興運動が盛んである。

[富盛伸夫]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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