ロスレス(読み)ろすれす(その他表記)Lossless

知恵蔵 「ロスレス」の解説

ロスレス

データ欠損を伴わない圧縮のこと。一般には音楽の分野で、高音質で記録される方式のことを指す。「ロスレスオーディオ」ともいう。圧縮を行わない「リニアPCM方式」も、データのロスはないので厳密には「ロスレス」だが、通常「ロスレス」と言った場合には、リニアPCM形式「以外」を指す。
 総称であり、特定の音楽圧縮方式のことではないが、パソコン・携帯音楽プレイヤー向けの場合と、Blu-ray Disc向けの場合に使われることが多い。前者はCDと同じステレオ2ch、後者は5.1 chや7.1chなどのマルチチャンネルオーディオが一般的だ。パソコン。携帯音楽プレイヤー向けとしては、「Apple ロスレス(ALAC)」「Windows Media Audio Lossless」「ATRAC Lossless」が、Blu-ray向けでは「Dolby TrueHD」「DTS-HD MasterAudio」が有名。
 データ欠損がないということは、論理的には元データと音質に変化はないはずだが、実際には圧縮方式や再生機器のクセによるものか、ごくわずかな音質の「違い」が発生する場合が多い。

(西田宗千佳 フリージャーナリスト / 2008年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

パソコンで困ったときに開く本 「ロスレス」の解説

ロスレス

映像や音楽データの圧縮で一般的に利用される不可逆圧縮に対し、データの切り捨てを行わずに圧縮を行う方式の呼び名です。「失われることがない」という意味です。通常の圧縮より音質や画質が高い代わりに、データ量が巨大になります。可逆圧縮同義です。
⇨可逆圧縮、不可逆圧縮

出典 (株)朝日新聞出版発行「パソコンで困ったときに開く本パソコンで困ったときに開く本について 情報

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