ロビンソン(Jack Roosevelt Robinson)(読み)ろびんそん(英語表記)Jack Roosevelt Robinson

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

ロビンソン(Jack Roosevelt Robinson)
ろびんそん
Jack Roosevelt Robinson
(1919―1972)

アメリカのプロ野球選手(右投右打)。大リーグ(メジャー・リーグ)のブルックリン・ドジャース(現ロサンゼルス・ドジャース)でおもに二塁手としてプレー。初の黒人選手として登場し、さまざまな困難と戦いながら後進たちに道を切り開いた大リーグにおける人種開放のパイオニアである。

 1月31日、ジョージア州カイーロで生まれる。1946年、ドジャースに入団。注目を避けるためにカナダのマイナー球団に配属された。1947年大リーグに昇格すると、相手球団が試合をボイコットしようとしたり、自軍の選手までいっしょにプレーするのを嫌がるなどの迫害に耐えながら、打率2割9分7厘、ホームラン12本、打点48の好成績をマーク。盗塁29でタイトルも獲得し、同年創設された新人王にも選ばれた。現在、ナショナル・リーグでは同賞のことを「ジャッキー・ロビンソン賞」とよんでいる。1949年には首位打者となったうえに、盗塁王も獲得。リーグ優勝に貢献して最優秀選手(MVP)にも選ばれた。バント・ヒットで出塁し、すきあらばホーム・スチールも敢行するなど機動力武器として活躍し、10年間の在籍中にチームは6回リーグ優勝し、1955年にはワールド・シリーズも制した。1956年限りでニューヨークジャイアンツにトレードされると、これを不服として翌年1月に引退した。1997年には登場50周年を記念して、大リーグの全球団でロビンソンの背番号42が永久欠番(その時点で42番の選手は除く)とされた。

 10年間の通算成績は、出場試合1382、安打1518、打率3割1分1厘、本塁打137、打点734。獲得したおもなタイトルは、新人王、首位打者1回、盗塁王2回、MVP1回。1962年に野球殿堂入り。

[山下 健]

『ジャッキー・ロビンソン著、宮川毅訳『黒人初の大リーガー ジャッキー・ロビンソン自伝』(1997・ベースボール・マガジン社)』『リチャード・スコット著、国代忠男訳『ジャッキー・ロビンソン物語』(1997・筑摩書房)』

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