日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
ロビンソン(Mary Robinson)
ろびんそん
Mary Robinson
(1944― )
アイルランド共和国の政治家、大統領(1990~1997)。カトリックの家(旧姓バーク)に生まれたが、プロテスタントが優勢なダブリンのトリニティ・カレッジで学び、1969年、同カレッジ史上最年少の法学教授となった。さらに同年、大学を代表する上院議員として政界に進出、1970年にはプロテスタントのニコラス・ロビンソンと結婚した。労働党の議員として活躍したが、1985年、北アイルランドの当事者抜きでイギリス・アイルランド協定が結ばれたことに抗議して労働党を離党した。しかし、大統領選挙に立候補するために復党し、1990年の大統領選では女性や若者の支持を集め予想を覆して当選し、女性として初めて大統領の座についた。活動的な大統領として国の内外できわめて高く評価されたものの、1997年任期途中で辞任し、国際連合の人権担当高等弁務官に就任した(~2002)。保守的空気の強い国の中でリベラルな勢力を代表し、女性の権利拡大にも尽力している。
[木畑洋一]
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