一三昧(読み)イッサンマイ

デジタル大辞泉 「一三昧」の意味・読み・例文・類語

いっ‐さんまい【一三昧】

仏語雑念を去り一心に修行に専念すること。
ほかのことに構わず、一つのことだけに心を用いること。
同伴みちづれにはとんと構もせずに、―に樹の上へかけ上る」〈渡部温訳・伊蘇普物語〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「一三昧」の意味・読み・例文・類語

いっ‐さんまい【一三昧】

〘名〙
① (形動) 仏語。雑念を去り一心に修行すること。また、そのさま。
※雑俳・柳多留‐一九(1784)「この頃はいっさんまいと珠数を見せ」
歌舞伎曾我綉侠御所染御所五郎蔵)(1864)六幕「今ぢゃあ後生いっ三昧(サンマイ)に、打って変って仏のやうだ」
② (形動) ほかのことにかまわず、もっぱらそのことにだけ心を尽くすこと、いちずであること。また、そのさま。
※北条五代記(1641)三「若君様御誕生以来に、猶以て忠臣一三昧に仰ぎ奉る」
滑稽本・八笑人(1820‐49)四「此の質兵衛はただ商売一(いッ)三まい」
③ (副詞的に用いて) 全部。すべて。
※滑稽本・大わらい臍の西国(1861‐64頃)後家のひとりごと「着類だけは一さんまい贈るがいやかのと」

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