一分金銀(読み)いちぶきんぎん

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「一分金銀」の意味・わかりやすい解説

一分金銀
いちぶきんぎん

一分金と一分銀。一分金は,江戸時代の標準金貨である小判1両の4分の1の補助金貨。形が長方形であるため短冊,方金ともいう。初鋳は慶長6 (1601) 年の慶長一分金で,以後元禄,宝永正徳享保,元文,文政,天保,安政,万延と新一分金が鋳造された。一分銀は幕末銀貨で,天保8 (1837) 年の天保一分銀,安政6 (59) 年の安政一分銀,明治1 (68) 年の新政府鋳造貨幣司一分銀の称。本来銀は秤量貨幣として使用されたが,これら一分銀は4枚をもって1両にあてる表記貨幣である点に特徴がある。安政一分銀は itsibooなどと呼ばれ,幕末国際的金銀比価の相違による金流出を防ぐため,メキシコドルと同品位とされた。

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