一句(読み)いっく

精選版 日本国語大辞典 「一句」の意味・読み・例文・類語

いっ‐く【一句】

〘名〙
① 話、物語、文章の区切り、または、格言成句などの一つ一言。一文。一段。一話。ひとくさり。ひとくぎり。
徒然草(1331頃)一五七「あからさまに聖教の一句を見れば、何となく前後の文も見ゆ」 〔杜預‐春秋左氏伝序〕
漢詩五言または七言のひときり。または、和歌五文字または七文字のひときり。
八雲御抄(1242頃)一「旋頭歌 三十一字に今一句をそへたる也」 〔詩人玉屑‐詩法〕
連歌俳諧、雑俳等の一つの作品。
※ささめごと(1463‐64頃)下「一句のうへにことはりしられてうるはしき秀逸とのみ心得」
④ (下に打消の語を伴って) 少しの言葉。一言(いちごん)。→一句に
※洒落本・金錦三調伝(1783)「そう覚へられちゃアいっくもねい」

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デジタル大辞泉 「一句」の意味・読み・例文・類語

いっ‐く【一句】

連歌・俳諧で、一つの発句または付句。俳句一つ。「一句ひねる」
漢詩で五言・七言のひときり。また、和歌で五文字・七文字のひときり。
話・文章などの一節。また、一言。

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