一坪反戦地主会(読み)ひとつぼはんせんじぬしかい

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「一坪反戦地主会」の意味・わかりやすい解説

一坪反戦地主会
ひとつぼはんせんじぬしかい

沖縄県のアメリカ軍用地の返還運動を行なっている団体。1982年6月発足。第2次世界大戦終結後,沖縄はアメリカ合衆国の統治下に置かれ,アメリカ軍は民有地を強制的に接収して軍事施設を建設した。戦後まもなく軍用地政策に反対する運動が始まり,1950年代前半までは土地所有権や生活権の防衛を目的とし,軍用地代引き上げ要求に主軸を置いた。1960年代後半になると沖縄がベトナム戦争の前線基地となり,駐留アメリカ軍の増加や基地拡張問題を背景に反戦・反基地運動に転換した。1972年の沖縄返還以降,日本政府は公用地暫定使用法の制定や土地使用料の値上げによって反戦地主の懐柔をはかったが,地主らは国との賃貸契約を拒否し,アメリカ軍への土地提供拒否の態度を示した。一坪反戦地主会はこれを支援するために結成され,反戦地主から土地の一部を購入して賃貸契約拒否の運動を支えている。1982年に嘉手納基地用地,1990年には普天間飛行場の土地を購入した。(→沖縄米軍用地問題

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