一塵(読み)いちじん

精選版 日本国語大辞典 「一塵」の意味・読み・例文・類語

いち‐じん ‥ヂン【一塵】

〘名〙
ひとつの塵。塵ひとつ。転じて、きわめてこまかいこと、わずかなことにいう。
性霊集‐八(1079)勧進奉造仏塔知識書「所以一塵崇大嶽、一滴深広海、同心勠力之所致也」
読本・本朝酔菩提全伝(1809)四「一塵(ヂン)(そまらず)万念尽忘(ことごとくわすれ)、心清く情安きことを覚えけり」 〔唐彦謙‐遊清霊寺詩〕
② (「も」を伴うなどして、副詞的に用い、下に打消の表現をとる) すこしも。
兵範記‐久安五年(1149)一〇月一九日「今日事一塵無懈怠奉行遂了」
御伽草子・秋の夜の長物語南北朝)「一塵(ヂン)衆徒僻事とは存候はず」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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