丁と(読み)チョウト

デジタル大辞泉 「丁と」の意味・読み・例文・類語

ちょう‐と〔ちやう‐〕【丁と】

[副]《古くは「ちょうど」》
物が強くぶつかり合うさま。また、その音を表す語。はっしと。ばしっと。「太刀丁と打ち下ろす」
激しくにらみつけるさま。
「入道相国を―にらまへて」〈平家・五〉
しっかりと。がっちりと。
「そなたへ引け。強くひかへよ。―取り付け」〈義経記・五〉
整然としたさま。きちんと。きっちりと。
「殿上ノ小庭ニ―カシコマッテイタ」〈天草本平家・一〉
[類語](1はっしばしっとびしっとぴしっとびしりぴしりびしびしぴしぴしばんばん

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「丁と」の意味・読み・例文・類語

ちょう‐とちゃう‥【丁と】

  1. 〘 副詞 〙 ( 古くは「ちょうど」 )
  2. 物が激しくぶつかり合う音を表わす語。また、いきおいよく打ったり切ったり、手に取ったりするさまにもいう。はっしと。ばしっと。
    1. [初出の実例]「やまぶしのこしにつけたるほらがひの丁とおちていとわれ、くだけてものをおもふころかな」(出典:梁塵秘抄(1179頃)二)
  3. 激しくにらみつけるさまを表わす語。じっと。
    1. [初出の実例]「入道相国ちっともさわがず、ちゃうどにらまへておはしければ、ただぎえにきえうせぬ」(出典:平家物語(13C前)五)
  4. 力強くかみ合ったり、しまったりするさまを表わす語。しっかりと。がっちりと。
    1. [初出の実例]「大内には南西北をばちゃうとさし、東面の陽明・待賢・郁芳門をば開れたり」(出典:金刀比羅本平治(1220頃か)中)
  5. 整然としているさまを表わす語。きりっと。きっちりと。
    1. [初出の実例]「此天道之大経也。ちゃうど定たことぞ」(出典:史記抄(1477)二〇)

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