丁稚羊かん(読み)でっちようかん

日本大百科全書(ニッポニカ) 「丁稚羊かん」の意味・わかりやすい解説

丁稚羊かん
でっちようかん

蒸し羊かん一種。主として関西方面で丁稚羊かんの名でつくられている。小麦粉小豆漉し餡(こしあん)を混ぜ、甘味には黒糖を用い、塩を加えて練り、枠に詰めたり、竹皮包みにして蒸し上げる。本来は家庭でこしらえた菓子だが、製法からみれば羊かんの古典的な要素を今日に伝える菓子である。京都市や兵庫県明石(あかし)市の丁稚羊かんは有名だが、丁稚と命名されたわけは、お店(たな)奉公の小僧さんでも買えて、しかもおなかにたまる条件を備えていたからという。

[沢 史生

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

土砂災害

大雨や地震が誘因となって起こる土石流・地滑り・がけ崩れや、火山の噴火に伴って発生する溶岩流・火砕流・火山泥流などによって、人の生命や財産が脅かされる災害。...

土砂災害の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android