日本国憲法第7条に基づき、内閣の助言と承認により天皇の国事行為として行われる衆議院の解散。ただしこれは通称であり、法令に明記された用語ではない。天皇の国事行為として行われるが、天皇は国政に関する権能を有しない(憲法第4条)ため解散権は内閣にあり、事実上、内閣の長である内閣総理大臣が解散権を握っている。つまり七条解散は、内閣総理大臣が国民に信を問う必要があると主体的に判断して解散するものと解釈されている。このため解散権は「内閣総理大臣の専権事項」「首相の伝家の宝刀」などといわれる。
なお解散には、内閣不信任決議案が可決された場合などの憲法第69条に基づく解散もある。解散権は69条解散に限定されるとの学説もあるが、1952年(昭和27)の吉田茂内閣の「抜き打ち解散」以降、七条解散が定着した。2014年(平成26)末時点で現行憲法下の解散23回のうち内閣不信任決議を受けた解散は4回のみで、七条解散が多い。
[矢野 武 2015年5月19日]
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