万葉集略解(読み)マンヨウシュウリャクゲ

デジタル大辞泉 「万葉集略解」の意味・読み・例文・類語

まんようしゅうりゃくげ〔マンエフシフリヤクゲ〕【万葉集略解】

江戸後期の万葉集の注釈書。20巻30冊。橘千蔭たちばなちかげ著。寛政8~文化9年(1796~1812)刊。先人の説を集成した簡便な全注で、入門書として広く読まれた。

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精選版 日本国語大辞典 「万葉集略解」の意味・読み・例文・類語

まんようしゅうりゃくげマンエフシフリャクゲ【万葉集略解】

  1. 江戸後期の、「万葉集」の注釈書。二〇巻三〇冊。橘千蔭著。寛政一二年(一八〇〇成立。寛政八年(一七九六)から文化九年(一八一二)刊。師賀茂真淵はじめ本居宣長契沖など先人の説を引用しながら全巻に簡略な注解をしており、簡便な入門書として広く流布した。

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改訂新版 世界大百科事典 「万葉集略解」の意味・わかりやすい解説

万葉集略解 (まんようしゅうりゃくげ)

注釈書。橘千蔭(加藤千蔭)著。1800年(寛政12)成立。30巻。12年(文化9)に刊行終わる。千蔭の家での村田春海,信夫道別,安田躬弦(みつる)との《万葉集》の会読の成果を基礎として書かれた。契沖,荷田春満(あずままろ),とりわけ師である賀茂真淵の《万葉考》によるところが大きい。稿が成るごとに本居宣長の閲を請い,その説をとりいれることも少なくない。《万葉集》の簡単な全注として,《万葉集》の普及に貢献した。
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