三十人僭主[古代ギリシア](読み)さんじゅうにんせんしゅ[こだいギリシア](英語表記)hoi Triakonta; Thirty Tyrants

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 の解説

三十人僭主[古代ギリシア]
さんじゅうにんせんしゅ[こだいギリシア]
hoi Triakonta; Thirty Tyrants

ペロポネソス戦争直後のアテネで,スパルタ武力を背景に民主政を廃止して行われた,クリチアステラメネスら 30人による寡頭支配。父祖伝来の法に基づく新国制を起草する委員として 30人が選ばれ,前 404年にその支配が成立した。彼らは新しく評議員を選び民衆法廷 (ヘーリアイア ) の権限を奪い,やがて殺戮や財産没収の恐怖政治を行なった。クリチアスは穏健な寡頭政を求めるテラメネスを殺し,支配を強化しようとしたが,トラシュブロスをはじめとする民主派は力でこれを倒し,残る僭主エレウシスへ移った。そしてスパルタのパウサニアス王の干渉もあってアテネの民主政は回復された。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

自動車税・軽自動車税

自動車税は自動車(軽自動車税の対象となる軽自動車等および固定資産税の対象となる大型特殊自動車を除く)の所有者に対し都道府県が課する税であり、軽自動車税は軽自動車等(原動機付自転車、軽自動車、小型特殊自...

自動車税・軽自動車税の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android