三宝山帯(読み)さんぼうさんたい

日本大百科全書(ニッポニカ) 「三宝山帯」の意味・わかりやすい解説

三宝山帯
さんぼうさんたい

日本の地体構造区分の一つである秩父(ちちぶ)帯を、秩父帯北帯黒瀬川帯、三宝山帯の三つに分類したときの、もっとも南側の地帯関東山地から西南日本外帯の間で、仏像構造線に接した北側に位置する。「三宝山」は高知県の山名に由来する。

 三宝山帯の北部には、中生代三畳紀からジュラ紀チャート‐砕屑(さいせつ)岩シーケンス(チャートから珪質(けいしつ)泥岩、砂岩泥岩互層に至る地層)が、衝上(しょうじょう)断層で繰り返している。地層は基本的に北方上位であることが多いが、南側に分布するものほど若い時代に付加したと考えられている。南縁部には、三畳紀からジュラ紀の玄武岩質火山岩類、石灰岩、チャートのブロックを含む、中生代白亜紀前期のメランジュが分布する。

[村田明広]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の三宝山帯の言及

【秩父地向斜】より

…本州地向斜(牛来正夫,1955)は同義であるが,局地名をさける趣旨で包括名として提唱された。秩父地向斜の構成のうち西南日本外帯の秩父累帯南帯(三宝山帯)には中生界が含まれることが1930年代から知られていたが,主部は産出化石にもとづき中・上部古生界とされていた。秩父地向斜中には,大別して(1)南部北上山地型の層相(チャートを欠く),(2)秋吉石灰岩などの石灰岩台地相(陸源砕屑(さいせつ)物質に乏しく,緑色岩を下底に伴う),(3)チャート,緑色岩,石灰岩,砕屑岩の複合相があり,このうち,(3)が最も広く分布する。…

※「三宝山帯」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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