三板(読み)サンパン

精選版 日本国語大辞典 「三板」の意味・読み・例文・類語

サン‐パン【三板・杉板】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 中国の伝馬船。中国商船に搭載されて長崎に来航した。
    1. [初出の実例]「長崎の湊口より夜中杉板〈自注、唐船の端船也〉に乗て長崎へ揚し由」(出典:通航一覧(1853)一七〇)
  3. 一般に、沖合に停泊している船と陸との連絡に用いられる船をいう。はしけ
    1. [初出の実例]「オーイ、これからサンパンを卸すんだぞ」(出典:海に生くる人々(1926)〈葉山嘉樹〉一四)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

百科事典マイペディア 「三板」の意味・わかりやすい解説

三板【さんば】

沖縄の相互打奏体鳴楽器黒檀や樫などの堅い板片(長さ約10cm,幅4〜5cm)3枚の上部を紐でつないだもの。左手指の間につるし,左手の親指薬指ではさみ打つ奏法と,右手の5指全部を用いて三板の両側からトレモロ風に打つ奏法とを組み合わせる。カチャーシーには欠かせない楽器。もとは中国から伝来した楽器だが,リズムにのった沖縄独特の奏法が発達した。

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世界大百科事典(旧版)内の三板の言及

【板】より

… 日本でも古くは拍板が用いられ,拍子,百子といったが,のちには(ささら)の類の編木(びんざさら)のみが発達した。沖縄の三板(さんばん∥さんば)は中国系と考えられ,日本の四つ竹(よつだけ)も竹製の拍板とみなされる。 (2)の型は,〈ばん〉〈ぱん〉ともいい,版,梆の字も当てる。…

※「三板」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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