三笠付(読み)みかさづけ

精選版 日本国語大辞典 「三笠付」の意味・読み・例文・類語

みかさ‐づけ【三笠付】

〘名〙
雑俳で、冠付(かむりづけ)の一つ。選者が、前句である冠の五文字を三題出し、これに、それぞれ七・五の文字をつけ、三句とするもの。江戸時代、宝永一七〇四‐一一)頃からはじまったという。のち、冠付の題一つに対して七・五音の句二一ずつを書きつけて示し、その中から各人の好きな三句を選んで出させ、選者が自分で選んだ句と一致した句の多いものを勝ちとすることも行なわれるようになった。
随筆・我衣(1825)「冠付になぞらへて三笠付と名附不宜ことはやりたり」
② 転じて、賭博(とばく)の一つ。胴親上段に一から七、中段に八から一四、下段に一五から二一までの数字を並べ、各段のどれかを選んで〇印をつけて封じ置き、他の者が一〇文を出して上中下の〇印の各数字を当てるもの。二つ当たれば一〇〇文、全部当たると二両を得る。
政談(1727頃)一「博奕打・三笠附抔の御触有ても、右の子細、又は仇をせらるることを厭て申し出でず」

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世界大百科事典(旧版)内の三笠付の言及

【笠付】より

…〈骨折て・明智は天下たゞ三日〉(《住吉躍》),〈憎い事・妾の面ざし有る捨子〉(《冠付かゞみ磨》)。一方,宝永(1704‐11)ころから笠付点取を模して賞金を出す博奕〈三笠付〉が流行して禁令が出るなど,創作とは別の要素が点取流行の裏に働いていたことが知られる。伊勢笠付点取俳諧【鈴木 勝忠】。…

【賭博】より

…上の句が最初から付いているので,〈烏帽子付(えぼしづけ)〉〈笠付(かさづけ)〉〈冠付(かむりづけ)〉などと呼ばれた。笠付などは雑俳と総称されるが,3句1組の〈三笠付〉,連鎖風に続ける〈段々付〉など多様な型があらわれた。さらに簡単な方法として,最初の句の5文字を3組出題し,7字を解答としてつけ加える型が出現した。…

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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」