三藐院記(読み)さんみゃくいんき

改訂新版 世界大百科事典 「三藐院記」の意味・わかりやすい解説

三藐院記 (さんみゃくいんき)

安土桃山時代・江戸初期の公家近衛信尹(のぶただ)の日記。1592年(文禄1)より1606年(慶長11)までの日次記(ひなみき)と1585年(天正13)の〈羽柴秀吉関白宣下記〉以下の別記11点がある。欠年が多く記事も概して簡潔ではあるが,天正~慶長期の政治および文芸上の好史料で,1610年後陽成天皇が江戸幕府の種々の拘束によるふんまんから譲位に及ぶ状況を記した部分などはとくに重要である。自筆原本19冊,8巻,4紙が陽明文庫に所蔵されている。《史料纂集》所収
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

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