三迫(読み)さんのはさま

日本歴史地名大系 「三迫」の解説

三迫
さんのはさま

鎌倉期より近世にわたる広域地名で、三迫川およびその本流迫川の流域をいう。現栗駒くりこま町・金成かんなり町・若柳わかやなぎ町ならびに旧栗原郡の登米とめ石越いしこし町・中田なかだ町に及ぶ。「吾妻鏡」文治五年(一一八九)八月七日条に「泰衡者陣于国分原、鞭楯、亦栗原、三迫、黒岩口、一野辺、以若九郎大夫、余平六已下郎従大将軍、差置数千勇士」とある。奥州合戦で北上してくる源頼朝軍に対して、藤原泰衡がこの地に防衛線を布いたことがわかる。僧日興の弟子日目の譲状に「奥州三迫加賀野村内ニ田弐反、加賀野太郎三郎殿、日目ニ永代たひたる間、弁阿闍梨日道ニ、限永代所譲与也」(嘉暦二年一一月一〇日「僧日目譲状」大石寺文書)とあり、三迫加賀野かがの(現中田町)の土豪加賀野氏から寄進された田二反を弟子の日道に譲っている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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