上之毛(読み)いーぬもー

日本歴史地名大系 「上之毛」の解説

上之毛
いーぬもー

[現在地名]那覇市若狭三丁目

近世の若狭町わかさまち村の北に広がる海岸の丘陵。西側の波之なみのうえの丘陵と向い合っていた。琉球貿易図屏風(滋賀大学経済学部史料館蔵)や「沖縄志」の那覇及久米村図などにみえる。上之毛の先端を雪崎といい、方音のユーチヌサチをなぞったものであろう。間切集成図には「よきの崎」とあり、原義は「よき(斧)」のように鋭く突き出た岬、また断崖絶壁の意であろう。崖下に樋川があり、拝所となっていた。尚貞王五年(一六七三)日本人の安右衛門が若狭町村の人々に銀を託して雪崎に宮堂を建てたが、のちに廃退したという(「球陽」附巻)。上之毛の西側を下った辺りに、護道院(悟桐院ともみえる)があった。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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