上唐原遺跡(読み)かみとうばるいせき

日本歴史地名大系 「上唐原遺跡」の解説

上唐原遺跡
かみとうばるいせき

[現在地名]大平村上唐原 田法寺ほか

山国やまくに川中流域左岸の自然堤防上にある縄文時代後期の集落遺跡。昭和六三年(一九八八)と平成一二年(二〇〇〇)に発掘調査が行われ、縄文後期中頃の鐘崎式期の住居跡が合計五軒発見された。貯蔵穴・土坑などを含んだ集落で、石器類のうち打製石斧・磨石・石皿などが目立ち、石鏃が少ないことから植物質食料採集活動の比重が高いと想定される。周防灘南西沿岸地域に広く分布する石敷石囲炉の脇に立石が伴う「上唐原型住居跡」の標式遺跡。下流の下唐原にある自然堤防上にも同時期の住居跡が数例発見されている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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