出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
富山県氷見(ひみ)市朝日本町にある高野山真言(こうやさんしんごん)宗の寺。山号は朝日山。本尊は閻浮檀金(えんぶだんごん)1寸8分(約5.5センチメートル)の千手観世音菩薩(せんじゅかんぜおんぼさつ)。創建は681年(天武天皇10)、開基は法道上人(しょうにん)と伝える。かつては七堂伽藍(しちどうがらん)が完備し、18坊を有した大寺であったが、数度の火災により、現在は江戸時代の本坊(銀杏精舎(いちょうしょうじゃ))、観音(かんのん)堂など数宇を残すのみである。毎年4月17、18日の観音縁日に行われる祭礼(ごんごん祭り)は、1664年(寛文4)の大干魃(かんばつ)のとき雨乞(あまご)いをして待望の慈雨を得たので、感謝のために始められた祭りといわれ、現在も盛大に行われ、参詣(さんけい)者は鐘を打ち鳴らして厄除(よ)け・諸願成就(じょうじゅ)を祈る。境内の大イチョウは樹齢1300年、周囲12メートルの大樹で、乳授けの霊木といわれ国の天然記念物。
[野村全宏]
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