上澄(読み)うわずみ

精選版 日本国語大辞典 「上澄」の意味・読み・例文・類語

うわ‐ずみ うは‥【上澄】

〘名〙
液体中の混合物が沈んで、上の部分が澄むこと。また、その澄んでいる部分。うわしる。上溜(うわだまり)。⇔上濁り
※日本読本(1887)〈新保磐次〉五「その上清みを静に取らんとせば」
② 濁り酒のかすを沈ませ、上の澄んだ部分をくみ取ったもの。上溜。⇔上濁り
※歌舞伎・宇都宮紅葉釣衾(宇都宮釣天井)(1874)序幕「お上の御酒ゆゑ拙者が不断たしなむ上澄(ウハズミ)などとは格段の違ひ」
鶏卵白身。美顔料とした。
※浮世草子・傾城禁短気(1711)二「面躰(めんてい)に白粉をつけ、鶏卵の清(ウハズミ)を塗って」
④ 粉絵の具岩絵の具を溶いたとき、上の方に浮いた淡い色彩の絵の具。
金箔を作る際に用いる、非常に薄い金の板。延金を和紙の間にはさんで打ちのばす工程を数回繰り返して作られる。
雍州府志(1684)六「金銀薄〈略〉凡打薄交宇和須美、則易打云」
⑥ 思想、思潮、理論などで、一般化している表面の部分。
※漱石・鴎外・竜之介(1954)〈荒正人〉「このような近代上澄みの部分でしかない教養主義は」

うわ‐ず・む うは‥【上澄】

〘自マ四〙 液体の上の方の部分が澄む。
古今六帖(976‐987頃)三「とね川は底は濁りてうはすみてありける物をさねてくやしく」

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栄養・生化学辞典 「上澄」の解説

上澄

 →上清

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