下局(読み)カキョク

デジタル大辞泉 「下局」の意味・読み・例文・類語

か‐きょく【下局】

慶応4年(1868)の政体書によって、立法機関として設置された議政官下院同年貢士対策所改称

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精選版 日本国語大辞典 「下局」の意味・読み・例文・類語

しも‐つぼね【下局】

〘名〙 宮中で上局(うえつぼね)を与えられた皇后女御などが、つねに居住する所として与えられる部屋。⇔上局(うえつぼね)
※宇津保(970‐999頃)国譲中「ここには悩ましくなむあれば。『まだ、え体面せずや』と思ふに〈略〉しもつぼねにやは」

か‐きょく【下局】

〘名〙 慶応四年(一八六八)閏四月に設置された議政官の下院。議長は行政官弁事の兼任議員貢士(こうし)構成。上局の諮問に基づき租税度量衡条約、藩相互の訴訟などを審議した。同年五月に貢士対策所に改称、のち公議所集議院に継承された。

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山川 日本史小辞典 改訂新版 「下局」の解説

下局
かきょく

明治初年の公議機関。1868年(明治元)閏4月,政体書にもとづき上局と下局からなる議政官が設置され,立法をつかさどることになった。下局は上局の命をうけ,租税,駅逓,貨幣鋳造,条約の締結宣戦講和,藩と藩との争訟などを審議するものとされた。議長は弁事が兼任し,議員には諸府県・諸藩から選ばれた貢士(こうし)(のち公務人,ついで公議人と改称)があてられた。しかし十分に機能を発揮しないまま,69年3月に公議所にかわった。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「下局」の意味・わかりやすい解説

下局
かきょく

明治初年の立法機関。議政官内に設けられた。

[編集部]

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旺文社日本史事典 三訂版 「下局」の解説

下局
かきょく

明治初年の立法機関
1868年の政体書により立法機関としてつくられた議政官に,上局とともに設置された。'69年公議所に代わった。

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世界大百科事典(旧版)内の下局の言及

【貢士】より

…貢士はいわば藩の代表として議事に参加するわけであるが,才能によっては徴士に昇格することもあった。同年閏4月21日政体書が発布され,議政官が設けられ,上局・下局が設けられると参与でもあった徴士は議定とともに上局を構成し,下局は議長2名のほか貢士を議員として構成された。下局は上局の命を受け租税,駅逓,造幣,度量衡,条約,通商,拓彊,宣戦講和,警察,軍事,各藩間の訴訟を扱ったが,立法機関としての独自性は弱かった。…

※「下局」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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