下居・降居(読み)おりいる

精選版 日本国語大辞典 「下居・降居」の意味・読み・例文・類語

おり‐・いる ‥ゐる【下居・降居】

〘自ワ上一〙
① 下に降りてすわる。車、馬、舟などから降りてそこにいる。
書紀(720)敏達一〇年閏二月(前田本訓)「乃ち泊瀬の中流(かはなか)に下(オリヰ)て」
平家(13C前)七「しばしおりゐて馬休めん」
天皇斎院などがその地位を退く。退位する。譲位する。
※宇津保(970‐999頃)春日詣「かかるほどに年月すぎて、その時のみかどもおりゐ給ふ」
女房宮仕えを退く。里下がりする。
※俳諧・冬の日(1685)「たそがれを横にながむる月ほそし杜国〉 となりさかしき町に下り居る〈重五〉」

おり‐い ‥ゐ【下居・降居】

〘名〙
① 下に降りていること。車、馬などから降りていること。また、腰を降ろしていること。
※光悦本謡曲・熊野(1505頃)「車宿り、馬とどめ、爰より花車、おりゐの衣はりまがた」
② 天皇、斎院などがその地位を譲ること。退位。→おりいの帝(みかど)。〔名語記(1275)〕
③ (宮仕えの女房の)里下がり。
※俳諧・落日庵句集(1780頃か)「風声の下り居の君や遅桜

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

今日のキーワード

発見学習

発見という行為の習得を目指す学習。または,発見という行為を通じて学習内容を習得することを目指す学習。発見学習への着想は多くの教育理論に認められるが,一般には,ジェローム・S.ブルーナーが『教育の過程』...

発見学習の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android