下道氏墓(読み)しもつみちうじのはか

日本歴史地名大系 「下道氏墓」の解説

下道氏墓
しもつみちうじのはか

[現在地名]矢掛町東三成

国指定史跡。吉備郡境に近い小田川に面した山裾の尾根端にあたり、圀勝こくしよう寺蔵の国指定重要文化財である銅製骨蔵器を出土したと考えられている地点である。骨蔵器の蓋には「銘下道圀勝弟圀依朝臣右二人母夫人之骨蔵器故知後人明不可移破」「以和銅元年歳次戊申十一月廿七日己酉成」の銘文が刻まれている。元禄一二年(一六九九)の発見と伝えられているが、その出土地点とされる山麓の尾根上の一帯は、明治三三年(一九〇〇)数百人を動員して発掘と地ならしが行われたため旧状をとどめていない。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

国指定史跡ガイド 「下道氏墓」の解説

しもつみちのしのはか【下道氏墓】


岡山県小田郡矢掛町にある墓所。1699年(元禄12)、町内東三成(ひがしみなり)で石櫃(せきひつ)から銅製骨蔵器が発見された。骨蔵器は、身の口径12cm、高さ15.8cm、蓋の径24.7cm、高さ8.8cm。蓋の銘文から、下道朝臣圀勝(くにかつ)・圀依(くにより)が708年(和銅1)に母を火葬して納骨したことが判明した。下道朝臣圀勝は、奈良時代の学者吉備真備(きびのまきび)(695~775年)の父であり、圀依は真備の叔父、被葬者は真備の祖母にあたる。骨蔵器が出土した墳墓は下道氏の墓であることが判明し、「下道氏墓」として1923年(大正12)に国の史跡に指定された。骨蔵器は圀勝寺(こくしょうじ)の寺宝として保管され、国の重要文化財に指定されている。圀勝寺は墓地から北西に約1kmのところにある。JR伯備線清音(きよね)駅から井笠バス「福頼(ふくより)橋」下車、徒歩約5分。

出典 講談社国指定史跡ガイドについて 情報

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