下郷(読み)しもごう

改訂新版 世界大百科事典 「下郷」の意味・わかりやすい解説

下郷[町] (しもごう)

福島県中南部,南会津郡の町。人口6461(2010)。会津若松市の南,阿賀川上流にあり,南は栃木県に接する。那須岳に連なる標高1000~2000mの山地に周囲を囲まれ,南東部は日光国立公園に含まれる。町域の大半を山林が占め,耕地は狭小であるが,明治期にはチョウセンニンジン,タバコの特産地として知られた。米作,葉タバコの栽培を中心とした農業から,近年はリンドウ等花卉の生産が増えている。町の北端にある大内は,近世には会津西街道の宿駅で,1884年の会津三方道路の開通により衰えたが,現在も宿場の町並みがよく保存されている。天然記念物の塔の岪(へつり),中山風穴地特殊植物群落,重要文化財の旭田寺観音堂などがあり,阿賀川沿いには湯野上温泉,大川ダム下郷発電所がある。会津鉄道線が通る。
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