不割譲条約（読み）ふかつじょうじょうやく

精選版 日本国語大辞典

ふかつじょう‐じょうやくフカツジャウデウヤク【不割譲条約】

1. 〘 名詞 〙 一国が他国に対して圧力を加え、その国の領土の一部または全部を第三国に割譲しないように約束させた条約。

出典　精選版 日本国語大辞典

旺文社世界史事典 三訂版

不割譲条約
ふかつじょうじょうやく

強国が弱国の主権を圧迫し，強国の同意なしには弱国の特定領土を第三国に対し割譲させないという内容の条約
19世紀末の中国で，列強の帝国主義政策の手段として，勢力範囲設定を中国に承認させるために行われた。実例は，フランスが海南島（1897）・広東・広西・雲南（1898），イギリスが長江流域（1898），日本が福建省（1898）などの不割譲をそれぞれ約束させた。20世紀には現地実力者との折衝で，イギリスの対チベット条約（1904），ロシアの対外モンゴル条約（1912）が結ばれ，勢力範囲が設定された。

出典　旺文社世界史事典 三訂版