不動酸化物(読み)フドウサンカブツ

化学辞典 第2版 「不動酸化物」の解説

不動酸化物
フドウサンカブツ
inert oxide, passive oxide

金属表面に生じた酸化物の皮膜が金属の腐食妨げ,さびのない外観を示すとき,金属は不動態となったという.このような表面酸化物は大気中で安定で,酸やアルカリにも抵抗を示し,不動酸化物とよばれる.濃硝酸処理,電解酸化で生じるクロム,鉄,ニッケルなど遷移金属の薄い酸化皮膜はその例である.また,気体酸化物で,酸やアルカリと反応しにくい一酸化炭素や酸化二窒素などの酸化物を,不動酸化物とよぶこともある.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

世界大百科事典(旧版)内の不動酸化物の言及

【酸化物】より

…たとえばクロムCrでは,CrO3の水溶液は強酸であるが,CrOは塩基性であり,それらの中間の酸化数のCr2O3は両性である。また一酸化炭素CO,一酸化二窒素N2Oなどのように水と作用しない酸化物は不動酸化物inert oxideといっている。 2種以上の陽性成分を含む酸化物は複酸化物double oxideという。…

※「不動酸化物」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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