不生（読み）フショウ

デジタル大辞泉

ふ‐しょう〔‐シヤウ〕【不生】

仏語。迷いの世界に生を受けない意。如来にょらいのこと。

出典　小学館

精選版 日本国語大辞典

ふ‐しょう‥シャウ【不生】

1. 〘 名詞 〙 ( [梵語] arhat 「阿羅漢(あらかん)」の訳 ) 仏語。
2. ① 阿羅漢について、応供(おうぐ)・殺賊(せつぞく)・不生の三つの意味があるとするその一つ。永久に悟りにはいって迷いの世界に生を受けないこと。また、如来の異称。
   1. [初出の実例]「或云釈_レ疑随_レ欲可_レ用。諸漏已尽無_二復煩悩_一者。嘆_二羅漢不生徳_一。煩悩為_二受生因_一。而煩悩尽故不生」(出典：法華義疏（７Ｃ前）一)
3. ② 生滅など相対的にとらえられた世界を超えた、永遠に変わらない絶対の真如そのもの。また、そのあらわれとしての現実のすがたをいう。
   1. [初出の実例]「万法不生なれば、一心も不生なり」(出典：正法眼蔵（1231‐53）発無上心)
   2. [その他の文献]〔楞伽経‐四〕

うま‐ず【不生】

1. 〘 名詞 〙
2. ① 子を産まないこと。
   1. [初出の実例]「一子をあたへ授け給へ。出家させて夫婦うまずの業をはらし」(出典：浄瑠璃・賀古教信七墓廻（1714頃）一)
3. ② 「うまずめ（不生女）」の略。
   1. [初出の実例]「しかもうますなれば、なをしゃうぜきになる事なしと」(出典：浮世草子・真実伊勢物語（1690）三)

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