不相応（読み）ふそうおう

精選版 日本国語大辞典

ふ‐そうおう ‥サウオウ【不相応】

〘名〙

① (形動) (「ぶそうおう」とも) あるものとつりあいがとれていないこと。ふさわしくないこと。また、そのさま。ふつりあい。

※神道集（1358頃）四「日本国には不相応なり」

② (「心不相応行法」の略) 仏語。五位の一つ。心と相応しないもののことで、物質的存在にも、精神やその作用にも属さない、ある種の実体的な力、能力などをいう。生きている間の命根や有情相互の間に類同性をもたらす力としての衆同分(しゅどうぶん)などはその例。

※正法眼蔵（1231‐53）谿声山色「この身心骨肉、かつて従法而生ならざるによりて法と不相応なり、法と不受用なり」 〔倶舎論‐一〕

出典　精選版 日本国語大辞典

デジタル大辞泉

ふ‐そうおう〔‐サウオウ〕【不相応】

［名・形動］《「ぶそうおう」とも》つりあいがとれていないこと。ふさわしくないこと。また、そのさま。「不相応な待遇を受ける」
[類語]不向き・不適・不適切・不適当・不適任・分ぶん不相応・身の程知らず・贅沢

出典　小学館