世界を支配する精神的原理のこと。世界精神は、すべてのもののなかに生きた統一として、法則として、神的な力として働き続けていると考えられる。古代インドのブラフマンやアナクサゴラスのヌース、あるいはストアのプネウマ、ブルーノの宇宙霊の思想などにおいてみられる。ヘーゲルは、いかなる民族精神も、どの時代精神も、世界史の歩みのなかで一つの個体の位置を占めるものにすぎず、世界史はただ一つの普遍的実体としての世界精神が自己を顕現し、実現してゆく過程であると考えた。つまり、世界精神の自己実現の過程が世界史であり、世界史においては神の理性が支配しているというのである。
[伊藤勝彦]
『武市健人訳『ヘーゲル全集10 歴史哲学』全二冊(1954・岩波書店)』
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
…ヘルダーは,民族的な精神文化,とくに民俗的,地方的な言語や詩に深い関心を寄せるとともに,人類史を人間精神の完成に向かう普遍的歴史としてとらえる考え方を提示し,〈もろもろの時代の精神〉を示す〈諸民族の精神〉,〈諸民族の天才〉などの概念を用いた。さらに,ヘーゲルは,〈民族精神〉(近代国民国家の形成にともない〈国民精神〉ともなる)を,人類史(世界史)の発展の諸段階における普遍的な〈世界精神Weltgeist〉の顕現と考え,民族精神の歴史的,時代制約的性格を明確にした。こうして,普遍的な人間精神が特殊的,歴史的現実に具現するところに,ある時代の精神=文化の特徴を表す時代精神の存在をみる見方が確立される。…
※「世界精神」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
〘 名詞 〙 年の暮れに、その年の仕事を終えること。また、その日。《 季語・冬 》[初出の実例]「けふは大晦日(つごもり)一年中の仕事納(オサ)め」(出典:浄瑠璃・新版歌祭文(お染久松)(1780)油...
12/17 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
11/21 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
10/29 小学館の図鑑NEO[新版]動物を追加
10/22 デジタル大辞泉を更新
10/22 デジタル大辞泉プラスを更新