世知弁(読み)セチベン

デジタル大辞泉 「世知弁」の意味・読み・例文・類語

せち‐べん【世知弁】

[名・形動ナリ]
八難の一である「世智弁聡」の略》世渡りの知恵にたけていること。また、そのさま。
「内々は―にて、心まさなく厳しく精練なりけるままに」〈米沢本沙石集・三〉
勘定だかいこと。けちなこと。また、そのさま。
小笹に露のたまられぬ始末算用―も人にこそよれ」〈浄・油地獄

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精選版 日本国語大辞典 「世知弁」の意味・読み・例文・類語

せち‐べん【世知弁・世智弁】

  1. 〘 名詞 〙
  2. ( 形動 ) わずかの事にも損得を気にすること。勘定だかいこと。けちくさいこと。また、そのさま。〔東京教育大本下学集(室町中)〕
    1. [初出の実例]「始末・算用・せちべんも、人にこそよれ品にこそ」(出典:浄瑠璃・女殺油地獄(1721)上)
  3. ( 形動 ) 「せちべんそう(世智弁聰)」の略。
    1. [初出の実例]「洛陽になま女房ありける、源氏・狭衣なんど取りちらし、上は万に付けて優にやさしき風情に云(み)へて、内々は世知弁(セチヘン)にて心まさなく」(出典:米沢本沙石集(1283)三)
  4. せちべんぶくろ(世知弁袋)」の略。〔俚言集覧(1797頃)〕
  5. せちべんたび(世知弁足袋)」の略。〔俚言集覧(1797頃)〕

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