普及版 字通 「丞(漢字)」の読み・字形・画数・意味
丞
人名用漢字 6画
[字訓] すくう・たすける・うける
[説文解字]
[甲骨文]
[金文]
[字形] 会意
卩(せつ)+凵(かん)+(きよう)。卩は人の坐する形。凵は坎(かん)、深い穴。坎中に陥った人を、左右の両手()で引きあげて、拯(すく)う形である。〔説文〕三上に「翊(たす)くるなり」とし、字を山に従う形として、「山は高し。奉承するの義なり」とする。卜文の字形によると、伏する姿勢の人を拯いあげる形で、拯の初文。人を上に奉承する字は承。承は戴き、丞は拯いあげる形である。救拯の意より、丞相・丞史の意に用いる。
[訓義]
1. すくう、すくいあげる、たすける、たすけあげる。
2. うける。
3. 官名。
[古辞書の訓]
〔字鏡集〕丞 ツヒニ・スケ・トシ・モロ・カス・シバシバ・スミヤカニ・シバシ・スミヤカナリ
[声系]
〔説文〕に丞声として烝など三字を収める。拯は〔説文〕未収。〔左伝〕〔易〕〔孟子〕などにみえる字である。
[語系]
丞(拯)・承zjingは同声。引きあげるのは丞、上に戴くのは承、同声にして対待の義をなすものである。
[熟語]
丞尉▶・丞掾▶・丞参▶・丞史▶・丞相▶・丞属▶・丞輔▶・丞郎▶
[下接語]
郡丞・県丞・守丞・中丞
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報