並木正三(2代)(読み)なみき・しょうざ

朝日日本歴史人物事典 「並木正三(2代)」の解説

並木正三(2代)

没年:文化4.7.25(1807.8.28)
生年:生年不詳
江戸中期の歌舞伎狂言作者。大坂道頓堀の芝居茶屋の生まれで,初代の妻の血縁者という。幼名正吉,前名は浅尾正三といい,浅尾為十郎門下役者であったが,天明7(1787)年11月の大坂大西芝居から作者並木正三として番付にその名を載せている。寛政6(1794)年には大坂中の芝居の立作者となったが,以後は辰岡万作,近松徳三,初代奈河七五三助の二枚目作者を勤め,再び立作者となることはなかった。作者としての活躍は乏しく,特記すべきものはない。従来初代並木五瓶の著作とされてきた『戯財録』の作者入我亭我入はこの2代目並木正三かとする説が最近有力であるが確証はない。3代目は明治に入って奈河正作が名乗るが,活躍はみられなかった。<参考文献>『近世芸能論』(日本思想大系61巻)

(北川博子)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「並木正三(2代)」の解説

並木正三(2代) なみき-しょうぞう

?-1807 江戸時代中期-後期の歌舞伎作者。
大坂道頓堀(どうとんぼり)の芝居茶屋に生まれる。はじめ浅尾為十郎(ためじゅうろう)門下の役者となり,浅尾正三を名のる。天明7年作者に転じて2代並木正三を襲名。立(たて)作者にまではいたらなかった。文化4年7月25日死去。初名並木正吉作品に「けいせい遊山桜(あそやまざくら)」「遠州中山染」など。

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