中ソ国交回復条約(読み)ちゅうそこっこうかいふくじょうやく

日本大百科全書(ニッポニカ) 「中ソ国交回復条約」の意味・わかりやすい解説

中ソ国交回復条約
ちゅうそこっこうかいふくじょうやく

1924年5月31日、中国と当時のソ連との間に締結された条約。おもな内容は、両国国交回復(1条)、帝政ロシアとのすべての不平等条約の廃棄の約束(2条)、外蒙古(そともうこ)に対する中国主権の尊重(5条)、中国東支鉄道の回収(9条)、租界返還(10条)、団匪(だんぴ)賠償金(義和団事件での外国に対する損害賠償金)の放棄(11条)、領事裁判権の撤廃(12条)、関税自主権の承認(13条)などである。これは、革命後のソ連が帝政ロシアの政策の清算を図り各国の支持を得ようとする動きと、中国の国権回収運動が一致した成果といえる。その後中ソ関係は27年12月15日に中断するが、32年12月12日に修好ならびに通商条約を締結して国交を再開した。

[宇佐美滋]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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