中国南部カルスト(読み)ちゅうごくなんぶカルスト

世界遺産詳解 「中国南部カルスト」の解説

ちゅうごくなんぶカルスト【中国南部カルスト】

2007年に登録され、2014年に拡張された中国の世界遺産(自然遺産)。中国の南部、雲南省、貴州省、重慶市、広西チワン族自治区にまたがってカルスト地形が広がる世界最大級、約980 km2の岩石地帯。2007年の石林、茘波(れいは)、武隆(ぶりゅう)に加えて、2014年に桂林、施秉(しへい)、金佛山、環江の4つのカルストが登録された。水に溶解しやすい石灰岩白雲岩を主とした炭酸塩岩で構成された大地が、3億年前から50万年前までに雨水や土壌水などに浸食を受けてカルストが形成された。その広大な面積に加え、剣状の石柱ピナクル、墳丘状の残丘コーンカルスト、林立するタワーカルスト、貴州茘波のカルスト原生林などが地形の多様性と典型性をもった壮大な奇観を形成し、世界的に重要なカルスト地形を成している。また生物の豊富な生態系が見られる動植物宝庫でもある。中国の自然遺産としては初めて複数の省・市・自治区が共同で登録申請した。◇英名はSouth China Karst

出典 講談社世界遺産詳解について 情報

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